2010年7月18日日曜日

秋葉原協定に突っ込みを入れる

 千代田区のHPで秋葉原協定の全文を見ることができます。何人もの識者・関係者が議論して策定した結果なのでしょうが、小生、何度読んでもつっこみをいれたくなる箇所があります。理想と現実は違うよと反問されたら、「はあ」と天を仰ぐより他はないのですが、ちょっと突っ込んでみましょう。

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秋葉原協定

秋葉原は、世界に誇る電気のまち、先端技術やビジネスが集積するまち、アニメやフィギュア、ゲームなどのサブカルチャーのまちとして、新たな機能や文化を受け入れ、共存してきた文化創造都市です。

■突っ込み■
 小生なら以下にリライトします。秋葉原は、世界に誇る電気街、先端技術やビジネスが集積地、アニメ、フィギュア、ゲームなどのサブカルチャーが密集する場所として、新たな技術や文化を受け入れてきた文化創造都市です。原文は平仮名の「まち」の使い方が稚拙で、日本語の美しさを崩しています。

私たちは、この秋葉原の「いつも新たなものに出会えるまち、発見できるまち」としての魅力を守り、そして未来に引き継ぐため、誰もが安全で安心してまち歩きができ、買物ができるまちとしていきます。

■突っ込み■
 お分かりのように、やはり「まち」を繰り返し使っています。くどすぎますよね。小生なら、以下にリライトするでしょう。私たちは、秋葉原の「いつでも新たなモノに出会える専門店街、発見のある空間」という魅力を守りつつ、未来に継承するために、誰もが安全で安心して歩くことができ、買物できる場所にしていきます。

この秋葉原協定は、その実現に向け、地域の人々や来街者が守るルールです。

■突っ込み■
 ココに「来街者」という見慣れない言葉が使われ、やっと「まち」が「街」だと分かりました。小生ならば以下にリライトします。この秋葉原協定は、上記の実現に向け、地域の人々や来訪者が守るルールです。

このルールを行政機関等の協力のもと、地域関係者が一体となって推進していきます。

■突っ込み■
 ルールだと前の文章で分かっているのですから、以下にリライトすべきですね。行政機関等の協力のもと、地域関係者が一体となって推進していくルールです。

― みんなで協力、安全・安心、元気なアキバ ―

◇路上喫煙はできません。
・生活環境条例で、路上でのたばこの喫煙は禁止です。決められた場所でマナーを守り喫煙します。

◇道路は正しく使います。
・青少年に悪影響を与える活動や広告物の掲出、無許可のチラシ等の配布はしません。

■突っ込み■
 ココは重要な問題があります。「青少年に悪影響を与える」の定義はどうするのでしょう? また、チラシ等の「等」は何を差しているのでしょうか?

・置き看板やのぼり旗等は、道路上に設置しません。

■突っ込み■
 また「等」が記されています。また、アキバの実態は、まったく守られていなません。お店とは“お見せ”なのです。厳守すれば小規模店ほど不利な状況に陥ります。

・違法な路上での販売はしません。

■突っ込み■
 コレを記載する必要があるのでしょうか? もともと違法なモノはどこで販売してもいけないのです。それに、日本語として「違法な路上」と読めてしまいます。それはどこですかと質したくなります。どうしても記述しておきたいならば、小生なら以下にリライトします。路上販売はしません。

・違法な駐車・駐輪はしません。

■突っ込み■
 コレも同様で、道路交通法を遵守します、で済みます。

・自転車の無謀走行はしません。

■突っ込み■
 これも道路交通法のお話です。

・違法なパフォーマンスはしません。

■突っ込み■
 コレを読んだら、「違法なパフォーマンス」の具体例を知りたくなりますね。青少年に余計な情報を提供しそうです。

◇犯罪防止に努めます。
・まちの防犯パトロールを積極的に実施します。

・迷惑行為等のマナー違反については、見逃さずに注意します。
・犯罪行為を目撃したら、ただちに警察に連絡します。

◇まちの美観推進に努めます。
・まちの美観推進のための清掃活動には、積極的に参加します。

■突っ込み■
 美観推進の美を決めるのはどなたなのでしょうか? また積極的とは、どの程度を意味するのでしょうか?

・自分の家や店舗等の前は、日常的に清掃するよう、心がけます。

■突っ込み■
 また「等」が出てきました。店頭はお店の顔ですから、大半のお店がそれをしていますが、問題は「前は」なんです。どこまでを前と考えるのでしょうね。

・ごみ出しは指定曜日・場所、定められた時間帯に出します。

◇近隣に配慮した営業を行います。
・店舗の外まで行列が発生する場合は、歩行者の通行の妨げとならないよう、配慮します。

■突っ込み■
 コレも困った表記です。行列に関係するヒトなのか歩行者なのか、来訪者を見ただけ判別できるエスパーはアキバにはいません。さらに配慮してないお店は例外店です。

・店舗の営業にあたっては、騒音(スピーカー等による)や悪臭を発生させないようにします。

■突っ込み■
 困るのが、イベント会場のような騒音規定がない点です。“騒音と考えたら騒音”だとしたら、ソフマップなんて通報されまくれるのでは。また悪臭のほうも、以前、オウム関連の店が悪臭を放ったことはありましたが、店員や来訪者の体臭や香水でも、悪臭だと思うときがあります。解釈は主観の協定は問題有りですよね。

・貸しビル業等を営む者は、風俗営業や悪質な営業行為を行うテナントを呼び込まないようにします。

■突っ込み■
 長く続く不況に、ただでさえ老朽ビルだらけのアキバです。大家さん、不動産屋さんにしてみたら、相手がフーゾクかどうかまで調査をしていられません。結果的に事件を起こしてくれないことを祈るばかりなのです。

・深夜営業を行う店舗は、近隣に迷惑をかけぬよう、従業員を指導するとともに、細心の注意を払います。

■突っ込み■
 そもそも、夜は寝るものなのです。だから深夜営業の認可を得て営業しているのです。また、
「近隣」とはどこまでを意味しているのでしょうか? そちらのほうに細心の注意を払いたくなります。

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 と、微細な部分を突っ込みまくりました。あくまでも小生の主観ですが、原文の抽象的な文章に呆れたことも事実です。安心・安全を標榜したいことは理解できますが、画像にもあるように、繁華街とは、注意書きはあっても、ゴミが捨てられるという矛盾を孕んだ場所なのです。2011年1月23日から、電気街の歩行者天国が再開と決定しましたが、上記の矛盾を包容力と優しさで包み込んで欲しいものですね。

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