2010年4月28日水曜日

アキバのホコ天が再開か

 アキバのメインストリート、中央通りの歩行者天国は、AKB48劇場もあるドンキの出店と萌え系ショップの台頭から、派茶目茶な空間に変化しました。どこからともなく、目立ちたがり屋が集まり、歌や踊りのパフォーマンスを繰り広げていました。それを一変させたのが2008年6月の加藤某による通り魔事件です。中央通り明神下通りの交差点に、青信号だったにも関わらず、自動車で突っ込んだバカは、完全にイっちゃってたのか、そうでないのかは、今後、裁判などではっきりすることでしょう。
 
 以来、歩行者天国は中止になったのは、臭いモノにはフタをするの如しです。さらに犯人がクルマを停止した場所は、UDXビル1階の交番近くでもありました。所轄の万世橋警察署は、二度とあの悲劇を起こさせないために、パトカーを中央通り沿いに停車させ、職務質問が当然という場所に変わりました。ダガーナイフは悪くなく、悪いのはそれを使ったバカのはずなのに、ココでも臭いモノにフタがされ、警官は一人歩きの挙動のおかしい男を職質。下手に逆らおうものなら、警官たちに取り囲まれます。
 
 住民や商店街、電気街などが秋葉原の安全な街づくりを考える「検討会」が2010年4月27日、千代田区役所内で開催されました。いよいよ歩行者天国再開に向けた動きがはじまったのです。ホコ天に反対する住民は、約3割というアンケート結果が報告され、5月下旬予定の次回検討会で再開するかどうか、結論が出ます。電気街はヨドバシアキバの出店以後、デフレ不況も相まって、優勝劣敗の様相を見せています。ソフマップはビックカメラグループの子会社となり、ツクモはヤマダ電機系列店になりました。

 検討会で確認されているのは、ホコ天再開の場合、過激な路上パフォーマンスや不法占拠などをさせない「秋葉原協定」に関係者が取り組むことです。今年の2月から3月に検討会の部会が住民や商業者らに対して実施したアンケート調査では、反対は3割強、残りはホコ天再開に賛成でした。ホコ天は電気街にとって集客力を上げる効果があります。是非とも再開させるために、中心街や住宅地への防犯カメラを設置したり、今回の協定合意などに帰結したのです。

2010年4月27日火曜日

3Dテレビ元年

 ヨドバシアキバを訪問した、2010年4月21日、入り口近くで、パナソニックが3Dテレビ「3D VIERA」のデモンストレーションをを実施していました。3Dの原理はヒトの目の錯覚を応用するもので、その原理は数10年前から伝えられてきました。実際、小生も学生時代にホラー映画で体験しています。ただし、そのとき、赤と青のフィルムがついたゴーグル越しに観たそれは、立体には見えませんでした。原因は小生の視力にあります。生まれつきの弱視と乱視の目を、当時の技術はカバーできないのでした。
 
 あれから数10年(きみまろみたいですね)、パナソニックが出した、フルハイビジョンによる最新技術はどうでしょうか? デモのスタッフは、これまでより奥行きを感じ、リアリティや没入感を家庭に提供できることを強調していました。どれどれと、小生もハイテクゴーグルをかけて「3D VIERA」と対峙してみました。横で見ていた若いビジネスマンは、「わあ、凄い、濡れるよ」と水が向かってくる画面に歓声を出しています。ところが、小生の目には、フツーのプラズマTVの画面にしか見えないのでした。パナソニックも、カタログのなかに、3D画面はヒトによって見え方が違うと注意書きを添えています。

 3D技術は日本の家電メーカーが世界の最先端を走っているようですが、果たして事実でしょうか? 現在、PCを中心に台湾・韓国勢の追い上げが目立ちます。業界ではデフレ不況から抜け出すために、3Dテレビを盛り上げて行きたいはずです。事実、今後はソニー、東芝、NECなどが3Dテレビを発売すると発表しています。が、台湾のASUSも3Dパネル搭載のPCを発売してきます。デジタル時代の技術は、本当に、模倣されやすいんです。アナログ時代はX線を使って他者技術を真似ることまでしていましたが、デジタル時代は安易なリバースエンジニアリングで、最先端技術の二番煎じ茶を入れられます。
 
 決して、「3D VIERA」の悪口を書いているのではないことをご理解ください、パナソニックさん。日本の家電業界はデジタル技術に関する総合的な特許侵害を防御できる技術と監視する組織を設けるべきだと思います。今年は3Dテレビ元年とのことですが、3D産業革命を狙うならば、尚更だと思います。パナソニックは、2010年の国内における3Dテレビの市場規模を、当初50万台程度と予想していましたが、商品発表後の大反響から、その2倍近くはいくのではないかと皮算用しています。パナソニックは、3Dテレビ市場の約50%上のシェアを目指すそうですが、是非、実現して欲しいと期待します。

2010年4月24日土曜日

ガンダムカフェ開店




 石丸電気がエディオングループの傘下に入る前、ココはモバイル専門のショップでした。当時の閑散とした店内に立っていたスタッフに、「こんな様子で商売になるの?」と訊ねたら、「実は……」と内情を耳打ちしてくれました。販売商品と立地条件がミスマッチしていました。
 
 同じ場所に、2010年4月24日、オープンしたのが「機動戦士ガンダム」をコンセプトにしたガンダムカフェです。古典にも等しいキャラクターの人気は衰えていません。バンダイはアキバにマッチすると考えて、コンセプトカフェ「ガンダムカフェ」を開店させたと思います。
 
 アキバの電気街口を出たら、右折して、外に出ます。そこで左斜め前をご覧ください。山手線が走るガード下に、土日・休日ならば行列が見られると思います。小生は開店初日の様子を見学するために出かけました。午前8時半の開店時の行列はは約200人。アニメのヒーローにシンクロしてこそ、アキバです。

 店内は約140平方メートル、席数は60席とのことです。アニメキャラをホーフツさせるコスプレの女性スタッフが出迎えてくれます。17時以降はアルコール飲料も飲めます。土産物として、ガンダム登場メカ人形焼きもあります。バンダイは、ガンダムの永遠を祈願していますね。

2010年4月20日火曜日

ツクモの転生


 アキバの老舗ツクモの創業は、1947年3月11日。秋葉原とはいっても、末広町近くで開店しました。小生がツクモに出かけた最初は、シャープの8ビットPC、MZ-2000の増設RAMを購入するためでした。PC黎明期、同店は電気大の学生たちが開発したソフトを購入して販売するソフトメーカーの役割も果たしていました。
 
 ツクモは漢字で九十九と書きます。次の百を完全とするなら、それを目指すという意味があるとウィキペディアに記載していますが、九州には九十九島という場所があります。お店の数をいっぱい増やしたいという願望も入っていたのではないかと推察しています。実際、その後、複数のお店を開店させ続けました。
 
 90年代のツクモはアキバのPC専門店として確固たる立場を確保していました。マニア向けの周辺機器ならツクモに行けば売っているという次第です。リアル店舗は、アキバ、札幌、名古屋にあり、女性店員を重用したお店としても有名でした。写真の場所も、以前はツクモが入っていました。外観は変わっていません。
 
 ツクモの凋落が見えてきたのは、2002年から2007年まで石丸電気と提携したあたりからです。没落を予兆させる老舗の提携では、消費不況から脱することはできません。ツクモは中央通りに黒いビルを建てたり、新奇性を狙ったショップを開店させたりしましたが、ソレが資金繰りを悪くさせてしまいました。
 
 民事再生手続開始の申し立てを行ったのが、2008年10月30日。事実上の倒産で、負債総額は約110億円でした。原因はバブル期の不動産取得や業務拡大に伴う借入金とのことですが、消費不況は同時期に他の老舗をも市場から退出させています。同年11月5日、民事再生手続の開始が決定されました。
 
 ツクモが発行していたフリーペーパー「99マガジン」に原稿を書いていた関係で、当時の経営陣の方とも顔見知りになりましたが、合うほどに元気がなくなっていったことを思い出します。在庫商品を担保にNEC関連のファイナンス会社から借金をしながら、商品を販売したことが報道されたときには、万事休すでした。
 
 2009年1月6日、ツクモはヤマダ電機への事業譲渡で基本合意し、同年3月10日、ヤマダ電機新設の子会社Project Whiteに経営支配されました。登記簿によれば同年6月9日付でツクモは解散、2010年4月現在清算手続中です。アキバにおけるヤマダの位置づけを高める役目をしたともいえそうです。

2010年4月15日木曜日

アキバ的修辞法

 アキバが得意な修辞法に「高値買取・安値販売」があります。コレをマトモに考えることは、外神田ではジョークの通じぬ相手だと思われることでしょう。「より良いモノを、より安く」「当店より安いお店があれば値引きします」あたりも、洒落の分かるヒトに向けた表現です。


 まず気づくように、主語を抜いています。高値買取のケースを考えてみると、「当店なりの」なんですね。世間的な水準からしてなんて考え方をしていません。すればどうなるでしょう? はい、多分、そのお店は消滅します。ヤのつくヒトたちのシノギの場所になりそうです。


 より良いモノに関しても同様で、「当店なりの」より良いモノが「より安い」のです。後のほうの「より」には「更に」という意味と「他店よりも」の意味を含んでいます。なかなかの名フレーズだと思います。なあんだ、結局、お店が決めた値段か。はい、ソレが商売なんです。


「当店より安いお店があれば……」は、もっと巧妙です。小さな文字で、「当店が対称店舗と考えるお店」なんて逃げ口上が書いてあったりします。だから、「価格.comで見たら、もっと安かった」なんて主張しても、やんわりと逃げ口上を使われるだけです。コレも商売なんです。

2010年4月5日月曜日

肉の万世ビュー

 肉の万世5階は焼肉の「万世牧場」。小生、昼食のために、たまに立ち寄ります。座るのは、空いていれば、いつでも中央通りを正面から見下ろせる席です。画像は、まさにソコで撮影したもの。現役時代は最上階で鉄板焼きなどをご馳走になりましたが、デフレ不況となっては、今は昔の物語です。


 現在「万世」の看板などに使われている意匠、は大阪万博のポスターをデザインした福田繁雄氏。一部で有名なキャラクター(モーちゃん)ファンを何人か知っていますが、これと包装紙などのオリジナルデザインは絵本作家の林義雄氏。有名人を使うからには不況知らずと思ったら、駅至近の飲食店にお客を奪われているとか。


 万世は戦後、電機部品商・鹿野無線が母体となって営業をはじめました。やはりアキバですね。ドッジ・ライン不況の1949年、精肉・コロッケを扱う「万世」に業種転換。飲食店数の少なかった当時のアキバで、唯一、マトモなお店として支持されました。ハンドカットされた「万かつサンド」は、後楽園球場や小田急ロマンスカーの車内販売で知名度を広げました。


 現在は自社直営牧場の経営までしています。食肉卸売業だけでなく、ステーキ・ハム・肉料理調味料、関東一円のレストランと手広く営業しています。ココのパーコー麺が好きというアキバ店員を知っています。たしかに肉好きにはたまらないと思いますが、小生はスープに不満を抱いています。肉に負けないだけの深味が欲しいんです。アキバで取材を受けるとき、万世地下の居酒屋を利用することも多いですね。


 アキバの本店はフロアごとに売り物を変えています。まんカツさんども売る精肉惣菜店とラーメン、洋食、焼肉、ステーキレストラン、バー、居酒屋といった具合です。景色の良い階上に向かうほど、食事料金が高くなります。景色とは、さきほどの中央通りを正面から見える席もそうですが、総武線と中央線の走る様子を眼下に眺められる席もあります。