2010年3月5日金曜日

批判的な目で手づかみ

 牛丼屋から居酒屋まで、以前、割り箸を使っていた場所が、現在、リサイクル箸に変わっています。コレは地球環境に優しいと話すヒトがいれば、滑りやすくて食べにくいと話すヒトまでいます。小生は割り箸派です。地球も大切ですが、イマの食べやすさが大切と考えるのです。

 アキバに「箸勝本店」があります。明治43年から外神田で商売を開始した老舗です。奈良県吉野地方出の庄屋さんは、豊富な木材資源の端材を活用した割箸を売りはじめました。箸は、本来、神と人の間を仲介する神聖な道具です。一期一会の精神が割り箸を誕生させたのです。

 割り箸の消費量は他産業と比較すれば少量です。なのに目の敵の扱いでした。女性たちが声高でした。感情を優先させる思考方法が得意な皆様は、最近、食育なる言葉を好みますが、食べにくい箸に優しい目を注ぎ、ファストフードを手づかみ。箸も文化であることは忘却の彼方。

「箸勝本店」は宮内庁の御用達のお店。昭和25年から。陛下が日常的に使われる柳の細くて軽い白木箸、ご旅行用の箸、各宮家が使われる箸を納めています。同店の方針は「正商」の精神。アキバに出かけたら、一度、立ち寄ることをお勧めします。本物の箸が文化だと理解できます。

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